社会現象を巻き起こした「ゲームオブスローンズ」の次はイタいアラサー?2019年エミー賞の話題4選!


毎年、ドラマやコメディシリーズ等のアメリカを中心としたテレビ関連の業績を讃える開催されるエミー賞。71回目となる2019年は、MC不在に始まり、世界的なムーブメントを起こした「ゲーム・オブ・スローンズ」、エミー賞常連の政治コメディ「Veep」の2大看板が最後の年を迎え、今までは本流とみなされなかったキャラクターやドラマの受賞等、新たな時代の幕開けを感じさせる話題に事欠かない回となった。その中でも、現地で最も話題になった4つの出来事をまとめてみました。

アレックス・ボースタインの女性を勇気付ける力強いスピーチ!

「マーベラス・ミセス・ベイゼル」というコメディショーで助演女優賞に輝いたアレックス・ボースタインは女性に向けた強いメッセージを発信。スピーチは、「この賞を女性の強さに捧げる」という言葉から始まりました。実は、ユダヤ系の彼女の祖母はホロコーストを生き延びた生存者。その祖母が、射殺されるために列に並んだ際に、一歩その列から離れたことで、生き延びたというエピソードを紹介。そして、女性に向けて「一歩列を離れましょう!」という力強いメッセージを発信。

イタいアラサーが主役のドラマ「フリーバッグ」が最優秀コメディを受賞!

以前、別の記事で紹介したイギリスのドラマ「フリーバッグ」。自己中心的で、仕事も家族関係も恋愛も、人生の全てがうまくいかないアラサー女性を描いたコメディ作品。最初は見てると主人公の自己中心さにイライラする本作。でも、気がつくと彼女の嫌なところを、自分の嫌なところに投影して完全に感情移入どっぷりで観れる、筆者もオススメ。なんと今年は優秀コメディ主演女優、最優秀コメディ・シリーズ、最優秀コメディ脚本など6部門を受賞し、大快挙。これからもどんどん邁進して欲しい!

ビリー・ポーターがLGBTQコミュニティとして初の快挙!

奇抜でシックなファッションでレッドカーペットを賑わせる俳優、ビリー・ポータがLGBTQを公言する俳優として初めて主演男優賞を受賞。受賞スピーチでは、アメリカの公民権活動家の言葉自分の考えを吐き出し、本当は自分はこの地球に存在する権利があることに長い時間がかかった」を引用し、自らの言葉で「自分にも権利があり、あなたにも権利があり、私たち全員に権利がある!」とスピーチ。

最終章を終えたゲーム・オブ・スローンズが圧巻の12部門の受賞!

アメリカでは最終シリーズが賛否両論(否定派が多め)だったゲーム・オブ・スローンズだが、エミー賞を12部門受賞し、有終の美を飾った。特に、助演男優賞を受賞したピーター・ディンクレイジのスピーチは感動もの。「ダイバーシティをサポートするコミュニティに恵まれたことが幸運だった。他の場所ではこのステージに立つことはできなかった」という彼の言葉は、多くの人の胸に届いた。

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ダイバーシティにフォーカスした受賞が目立った2019年。エンターテイメントの世界から、このムーブメントが波及し、多くの人が自分の可能性や才能、権利をフル活用して活躍できる世の中に近づいている予感。来年もまたインスパイアリングな作品が多い1年であることを期待!